新司法大臣の就任スピーチ

  • 2020.07.08 Wednesday
  • 22:33

新しく司法大臣に就任したDupond-Moretti弁護士の2020年7月7日のスピーチの翻訳。弁護士は歓迎し、司法官(検察官裁判官)の組合などからは「宣戦布告」と言われた人事ですが、就任スピーチが素晴らしいので備忘のため訳出。justiceを司法とするとニュアンスが損なわれるので、justiceのままにしています。

 

フランスの司法がどのように変わっていくのかどうか期待して見ていきたいと思います。

 

***

 

本日国璽を引き継ぎました。かつての国王大権に由来するこの省の鍵というべきものです。

時々そのように言われますが、ここは戦争ための省ではありません。自由の省です。

私は、これまで愛してきた、そしてこれからも愛し続ける弁護士の仕事をいったん休止します。

 

この36年間私はフランス全国の裁判所に行きました。私はテクノクラートとして司法justiceを知っているわけではありません。私はそれを人間として、私の内心の奥底から、そして、官能的・肉体的にも知り尽くしています。

 

私はjusticeの最高の部分と最悪の部分両方を見てきました。大きな被害を受けた被害者の悲しみ、不当にも有罪とされた人の絶望。

 

私は素晴らしい司法官(裁判官・検察官たち)と出会ってきました。彼らとは友好的ないい関係を持ってきました。彼らはヒューマニズムにあふれ、そして独立し、そして対立当事者の議論を何よりも大切にします。彼らはいくつかの言葉で、私たちとjusticeを和解させることができます。これこそカミュが言っていたような、魂の熱というものです。

 

私は、司法官や書記官がどのようにひどい状況で業務を行わなければならないかということを熟知しています。

 

私は政治家ではありません。

私は一般の社会société civileから、あえて言うのであれば刑事の社会société pénaleから来ました。

もう少し働かなくてはいけないとしても、あと少しで定年退職するはずでした。

しかし、私は、共和国大統領という勇気ある男性のために立ち上がることにしました。大統領は私たちの国のjusticeを改善することを望んでいます。

 

フランスは、欧州人権裁判所から最も多くの非難を受けている国の一つです。その避難の理由は、公平な裁判が行われていないということです。

 

私は誰に対しても戦いを挑みません。私は皆さんと一緒に、素晴らしいものを守り、良くないものを変えていきたい。

 

対話と協議の中で、司法官の制度を社会に対しより開かれたものにしていきたい。

私は何よりも必要だと感じているもの、justiceの独立を何よりも進めていきたい。

次の両院合同会議(憲法改正の際に上院下院の両議員がヴェルサイユに一同に会する会議)の際に、長く待ち望まれてきた検察官の独立を提示する初めての司法大臣になるでしょう。

 

私は予備捜査が予備捜査の枠を超えないように目を光らせていきます。司法の効率と対立当事者の主張を戦わせることの間にちょうどいいバランスを見つけていかなくてはならない。主張を戦わせることがなければ、justiceとはその存在意義を失います。

 

私はまた、無罪推定の原則と捜査の秘密という課題にも取り組んでいきたい。

そのための検討には、ジャーナリストの皆さんの参加も必要です。

正義は道の中で言い渡されるのではなく、ソーシャルネットワーク上でなされるものでもありません。今の人々の名誉も昔の人々のもの以上に軽視されることがあってはなりません。

 

これは大統領の意思でもありますが、私はjusticeをより市民に近いものとしたい。犯罪被害者に対する対応について直ちに共和国検事正の皆さんたちと協議を行う予定です。

 

私は前任者の取り組んできた、生殖補助医療(PMA)、欧州検察局、1945年のオルドナンス(少年重罪事件に関する政令)について取り組んでいきます。

 

私は弁護士の守秘義務を再度取り戻していきます。

 

身体拘束を受けている人々のひどい状況についても忘れていません。受刑者そして刑事収容施設で働く人々に思いを馳せます。私の大臣として一番初めの訪問は刑事収容施設になります。

 

私はすべての司法のファミリーである、司法官、書記官、法的規律を受ける職業(弁護士や公証人)の代表者と対話と議論をすることを心待ちにしています。主張を戦わせることは私がこれまでの間なによりも大事にしてきたことです。

 

私は謙虚さをもってこの職務を遂行しますが、これからは行動に移らなければなりません。

 

最後に私自身のことに触れます。

私の母は貧困を逃れるために、この偉大な国に来ました。彼女は自分の意思でフランス人となり、ラ・マルセイエーズに涙します。私は混血の大臣です。私の省は、人種差別を許さない、そして人権のための省となります。

 

 

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